政府は8月から生活保護費を3年間で大幅に削減します。(別紙リーフレットを参照下さい)。
加えて、生活保護法の見直し案が審議され今国会では廃案になりました。生活保護法は、生活保護申請時に資産・収入について書類の提出を義務づける、親族の扶助義務を事実上保護の要件とする点で、これまでと大きく変わります。
政府は「運用はこれまで通り」としていますが、書類の提出が原則となっています。これにより生活保護申請者を窓口で追い返す「水際作戦」が強まるのではと危惧します。さらに家族の収入、資産まで調べられることを保護の要件としたら申請をためらう人やできない人が増えるのではないでしょうか。
生活保護法の見直しで制度のどこが変わり、私たちはどう対処したらよいのでしょうか。法改正のポイントや福祉現場での経験など専門家の話をうかがいます。ご参加下さい。
【連絡先】さんきゅうハウス(立川市)吉田08050883897/府緊急派遣村(府中市)松野09030857557、びよんどネット(三鷹市) 0422465240
いつになったら自分の人生を生きられるのですか
~生活保護受給者の高校生からのメール~
私は高校2年生です。私の家は生活保護受給家庭です。私の人生は普通の高校生が送ってきた人生とはかなりかけ離れていると思います。恐らく想像もつかないでしょうし、話せば同情、偏見様々な意見があるでしょう。
ただ単に今の状況から言っても生活はかなり苦しい。高校は通学に一時間半かかる高校に通っていて朝は4時半に起きて弁当を作り、学校帰りにそのままバイトに行き、帰宅するのは22時頃。勉強もありますし家事をしたりで寝るのは0時か1時です。
私がおかしいと思うのはバイト代が差し引かれることと、扶養義務についてです。私は専門学校への進学を考えてバイトを始めました。バイトを始める前に担当ケースワーカーになんども「いくら差し引かれるのか」と尋ねましたがいつも答えは曖昧で最終的には「4万円稼いで5千円くらいだろう」と言われました。しかし、実際に働いてみると3万2千円で9千円差し引かれたのです。向こうからしたらたかが何千円の差かもしれませんが、こちらからすればかなり大きな差です。市役所側がそんないい加減でいいのでしょうか。
高校の奨学金の返済で84万円。進学するとなれば200万円以上はかかります。高校生のバイト代が生活費として差し引かれるのは当たり前のように思われていますが、学校に通い成績上位をキープしながらバイトをするということがどれだけ大変なことか分かって頂きたい。そしてバイトをするのは決して私腹を肥やすためではないことを。専門学校も奨学金で行けばいいと言われますが、専門学校卒業後、高校の奨学金と専門学校の奨学金を同時返済し更には親を養えと言われる。
私はいつになれば私の人生を生きられるのですか。いつになれば家から解放されるのですか。 はっきり言って私は家族を恨んでいます。私の家に関わってきた大人達のことも同様に。子が親を養うことも当たり前のように思われていますが、それは恨んでいる親を自分の夢を捨ててまで養えということなのでしょうか。成績は充分であるにも関わらず進学は厳しいというこの状況はおかしいのではないでしょうか。ただでさえ切り詰めた生活をしているのに、これ以上何を我慢すればいいのでしょうか。景気が上がれば物価は上がるのに保護費は減額?
私がどうしても伝えたいことは生活保護受給家庭の子供は自分の意思で受給しているわけではないということです。生活保護への偏見を子供に向けるのはおかしいです。不正受給ばかりが目につき本当に苦しんでいる人のことが見えなくなってはいませんか。選挙権がない私には国を動かす方々を選ぶことができません。だからこそ生活保護受給家庭の子供について国を動かす方々にはもっと考えて頂きたいと思います。
(この文章は6月14日参議院会館で行われた生活保護法改悪反対集会で読み上げられた生活保護受給者の高校生からのものです。メールを受けた人が本人の了解を得て公表したものです。)
※「生活保護世帯の高校生などが、苦しい家計の世帯を少しでも楽にしたいと『部活動の費用のため』、『自分の携帯電話代のため』とアルバイトをしています。こうしたことを市役所に報告しなければならないことを知らないケースがあります。こうしたケースが不正受給としてカウントされることも多いのです。」