15.討論」カテゴリーアーカイブ

2022年度一般会計決算反対討論

 2022年度一般会計決算に対し、子どもの権利を守る会として採決態度は不認定3、認定1となりましたが、以下に述べる論点は会派として一致した見解として、不認定の立場から討論を行います。なお、賛成するに至った理由は、このあとの討論で古畑議員から述べられるかと思います。

不認定の第一の理由は、市立保育園廃園条例の専決処分が行われた決算であるからです。

西岡前市長が行った専決処分による市立保育園廃園は、違法性の疑いがあり、議会は不承認としました。しかし、西岡前市長は全てを投げ出して辞職してしまいました。あまりにも無責任すぎます。

本来は不承認の事実を受け、廃園条例の専決処分を取り消すべきでした。

そして、どうしても廃園したいのであれば、状況を整えて、廃園条例を出し直すなどして、議会審議を経た上での議決を待つというのが、本来の首長のありようではないでしょうか。

廃園した上に辞職をしたのであれば、段階的縮小による子どもへの影響等、廃園にまつわる多くの問題が指摘されていたにも関わらず、子どもたちの権利を守る責任を放棄したと言われても仕方ありません。

不認定の第二の理由は、違法性である疑いのある専決処分により成立した廃園条例がいまだに有効であるからです。

白井市長は廃園を撤回する、という公約を立て、当選したはずですが、なぜ未だに廃園が撤回されていないのでしょうか。

決算審査の中でも、廃園条例が成立しているから、廃園方針を撤回できない、と答弁しています。

廃園条例の専決処分には違法である疑いがあります。廃園廃止条例が否決されたことによって、専決処分の違法性が治癒されるわけではありません。市長の意思が廃園撤回なのであれば、なぜ、議会の否決は違法であると、特別再議をしなかったのでしょうか。都知事の裁決を待つこともできました。監査要求することもできました。特別再議も監査要求も今からでもできます。また、廃園廃止条例は12月議会最終日に出され、即決となっています。なぜ出し直して、委員会付託で徹底審議をさせないのでしょうか。

廃園方針の見直しはすぐにでも取り掛かるべきでしたが、未だに着手していないのはなぜなのでしょうか。このまま市立保育園2園を見捨てて、廃園に向かってまっしぐらに進んでいくのでしょうか。

市長の意思が廃園撤回を貫くのであれば、さまざまな方策で廃園をくつがえすことができたはずです。

現在の状況を見ると、真摯な思いで、廃園撤回を市長選公約で訴えたとは到底思えません。選挙のためのリップサービスだったのではないでしょうか。

不認定の第三の理由は、数々の事務的ミスが相次ぎ、市民に不利益を与えているからです。市民参加の審議会の議事録作成が遅れ、審議会報酬の支払いを失念していただけならまだしも、被害者に断らせて遅延損害金を支払わずに済ませようとしたことは、違法な行政事務と言えます。また、発覚した当時に議会への報告は全くなかったことも重大な問題です。

社会福祉協議会による講師料支払い漏れの経緯については、発覚してすぐに議会に報告していれば、決算審査の中で詳細な質疑ができましたが、委員会最終日になっての報告だったことも問題です。今後の速やかな解明と報告を求めます。

不認定の第四の理由は、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律が今年4月に施行されたのに向けて決算年度に何の準備を教育委員会は行っていなかったことです。教育メタバースなどより、率先して、いち早く取り組むべきものだったのではないでしょうか。

以上、子どもの権利を守る観点から、今後の正常な行政運営を行うことを求め、討論を終わります。

2023年第3回定例会小金井市一般会計補正予算(第6回)賛成討論

議案第58号2023年度小金井市一般会計補正予算(第6回)に対し賛成の立場から討論します。

 第6回補正予算には、インクルーシブ公園、自転車ヘルメット助成、中学生の意見聴取、緑分館野外調理場整備等が提案されています。いずれも子どもの成長・発達の権利、意見表明・参加の権利、遊ぶ権利を市政において保障していくものです。

 インクルーシブ公園ワークショップの際は、外国語や手話言語など多言語での案内、外国籍の方や障がいのある方への丁寧な周知を、自転車ヘルメット助成については、必要であれば追加措置すること、中学生サミットという名称は仮称に過ぎず、誰でも参加しやすい親しみやすい名称に再考すること、緑分館野外調理場整備と運用については利用する市民との十分な説明と意見交換を求めます。

 今回の補正予算に計上されている議会活動支援介助委託料は、障がい当事者の議員が議会に入ってから、当事者の要望を聞き取りながら、他の議員と同様な議会活動が行えるよう、議会内での話し合いと合意形成を積み重ねてきた、小金井市議会としての合理的配慮の実践であります。

 障がい当事者議員の介助費を地方議会で計上した事例は、全国的にも初めてのことではないかと、「障がい者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」からも指摘がありました。

 障がい者の労働権を保障し社会全体の合理的配慮を進めていく観点からも、非常に重要な予算であると考えます。

 債務負担行為にかかる第一小学校の給食調理委託料については、会派の中では賛否がわかれるところです。

 ただ、調理委託の賛否の判断にかかわらず、学校給食調理については、給食の指針に基づく安全な食材の確保、より一層、地場産食材や、農薬を使わない有機食材を使用し、地球温暖化防止にも努めること、食育の観点からの重要性、自校式調理で温かくて美味しい残渣の少なく、誰でも安全・安心に楽しく食べられる給食であること等を求めるものであると訴え、賛成討論を終わります。

2023年第2回定例会「小金井市市税条例の一部を改正する条例」反対討論

 議案第54号「小金井市市税条例の一部を改正する条例」に、子どもの権利を守る会を代表して、反対の立場から討論を行います。

本条例は、2011年3月の東日本大震災の復興のために、復興特別税として年間1000円が徴収されていた税を、森林環境税という名称にすり替えて、継続して徴収するということを定めるものです。

そもそも、復興は終わっているでしょうか。

福島第一原発事故は未だ収束せず、原子力緊急事態宣言が発出されたままです。原発事故避難者は小金井も含め全国に散らばり、ふるさとに帰ることができない状況が12年間続いています。

復興への取り組みはまだ途上にあります。にも関わらず、会計検査院の調査では、復興予算として執行されなかった不用額が6兆円以上に上っている、とも指摘されています。

復興税の使い方の検証がまずは必要です。原発事故被災者の求める「原発事故子ども・被災者支援法」に基づく予算執行が行われず、何度も政府交渉が繰り返されています。

そのような状況の中、復興税を終了し、森林環境税にスライドする、ということは、許されないと考えます。

森林環境保全のためとしながら、森林のない小金井にも1300万以上の税金が譲与され、多摩産材の書棚の購入などに使われていると聞きます。森林環境保全のためであるならば、多摩地域や東京都内の自治体からの徴収は、東京都の水源林である、檜原村や小菅村などの森林保全のために、一括して充てる、奥多摩地域の森林保全の財源とするなど、まとまった形で有効な使い方を市長会などで提案していくべきではないでしょうか。

復興特別税を終了するのであれば、検証を行い、復興のための別の予算確保を確認した上で、森林環境保全のための税を新設することを市民に説明すべきです。

以上の理由から、本条例に反対し討論を終わります。

2023年度小金井市一般会計予算 反対討論

議案第7号、2023年度小金井市一般会計予算に、子どもの権利を守る会を代表して、反対の立場から討論を行います。
まず、昨年12月に結成した私どもの会派、子どもの権利を守る会の会派結成の申合せをお伝えします。
西岡前市長による公立保育園廃園条例の専決処分が議会で不承認されたことで、前市長は辞職し、突然の市長選挙と市議会議員補欠選挙となりました。私どもは、子どもがほほ笑むまちの実現を掲げて市議会議員補欠選挙を戦い、新たな議席を確保することができました。
公立保育園廃園問題は子どもの権利の侵害の最たるものであり、専決処分は地方自治法違反の疑いもあります。一刻も早く今の状態を是正するために、子どもの権利を守ることを会派名と共通政策理念に掲げました。共通政策理念1、日本国憲法第93条に基づく二元代表制により、市長との緊張感のある関係の中で、行政のチェック機関として議会の権能を行使する。市民に開かれた議会とすべく、議会改革を推進する。2、公立保育園廃園問題を解決し、小金井市子どもの権利に関する条例の実効性を高め、子どもの権利を守る小金井市政にする。3、新庁舎建設は、基本設計の見直しも視野に入れ、大幅なコストダウンを図る。また、窓が開き、十分な広場を確保した環境配慮型の庁舎とする。議場スペースの市民利用を実現する。4、障害のある人もない人も共に学び共に生きる社会を目指す小金井市条例を基に、障がい当事者の視点で市政全体をチェックする。経済的に困窮している人も含め、誰でも暮らしやすい福祉のまちづくりを進める。議案等への対応について。議案等に対し、会派内での議論を深めた上で、それぞれの判断を尊重する。討論、採決態度に対しては拘束しないというのが会派結成の申合せで、各会派にもお伝えしています。この申合せに基づき、本予算の反対理由を述べます。
反対理由の第1は、昨年11月の市長選挙で、現市長が掲げた公立保育園の廃園方針撤回が全く履行されず、前市長の廃園方針に基づく予算となっているからです。白井市長は、昨年12月の最終日に上程された廃園廃止条例を提案したことをもって、廃園方針を撤回するという公約を果たしたと思い込んでいるのではないでしょうか。廃園廃止条例が否決されたことで、昨年10月に議会が不承認とした廃園条例の専決処分に瑕疵があったとしても、小金井市の団体意思として、実質的に廃園条例の専決処分を承認する議決をしているものであり、前市長の専決処分に瑕疵があったとしても、その瑕疵は治癒され、違法性はなくなっているといった主張が、専決処分取消訴訟、廃園やめて裁判の中で、白井市長の決裁印が押された市からの答弁書として提出されています。白井市長は議員時代に専決処分の違法性を強く訴えて、前西岡市長を辞職に追い込んだにもかかわらず、廃園廃止条例の提案の際にも、専決処分の違法性について問われても、係争中であるとして違法性には触れませんでした。そして、廃園廃止条例が否決されたら、それをもって専決処分は治癒されたという主張となり、廃園方針の撤回どころではなくなっています。本予算は、廃園方針に基づき、くりのみ保育園、さくら保育園の段階的縮小という、子どもの権利を大きく侵害する残酷な方法での廃園を進めるものであり、市長の公約に反するものです。
反対の理由の第2は、市のコンプライアンス遵守意識の低さです。認可保育園を経営する小金井市に本社のある株式会社コスモズによる他自治体での補助金不正受給が次々に発覚したにもかかわらず、市内保育園の調査がまだ中途であり、危機感に薄いことです。今後の小金井市の保育全体に及んでくる問題となる可能性もあるため、これまでも保育が必要な子どものセーフティーネットとして機能してきている公立保育園を今こそ最重要な施設として、他の保育園に何かあった場合に子どもの受入れができる用意をする必要があります。しかし、市には全くそのような危機管理の意識がありません。
心身障害者福祉手当の過支給への不手際、不親切かつ不適正な対応、生活保護利用者への不十分な対応、情報公開制度の不認識により、教育メタバースの資料は何度も出し直しになった上、事業構築の検討状況や事業の継承状況についても当該株式会社の企業秘密とされ、市教育委員会が関わっている会議録や資料が公開されないという重大な問題も発生しています。民設学童や緑センター委託についても、市内部での十分な精査がなく、市民への説明もないまま進めることは、市民参加条例や、保護者とともに作成した学童保育所運営基準などの違反と言えるのではないでしょうか。
反対の理由の第3は、民間保育園への補助金についてです。株式会社グローバルキッズ、株式会社コスモズと、市内で保育園を運営する事業者による補助金不正受給が相次いで明らかになりました。また、昨年8月には、八王子市内のコスモズ系列の保育園での保育士による虐待事案が明らかになっています。少子化対策と民間活力の活用の名の下、株式会社が運営する保育園が都市部を中心に増加してきました。特に小金井市におきましては、その傾向は顕著です。そのような中で発覚したのが今般の事案です。
株式会社立の民間保育園と申しますが、運営費の多くは、我が子の保育を必要とする保護者からの保育料と公的補助金から成り立っており、公共サービスの担い手であり、公共的存在なのです。決して経営者や株主個人の所有物ではありません。特に、議長経験者で、元小金井市議会議員の佐野浩氏が理事長を務めるコスモズについては、市内で7園が展開されており、厳しい指導監督が都と協力して進められなければなりません。経営体質が改められ、不正が根絶されるまで、補助金執行は差し止められるべきです。なぜなら、25年前に高木議員が市民として提出した陳情をきっかけに、約1年をかけて行われた100条調査の提言も教訓も、部局からは忘れ去られていたと断じざるを得ないためです。都ともに反省されて、原因解明と再発防止を厳しく進めていただきたい。
また、不正を防止できなかった西岡前市長や関係部局の対応も検証していただきたい。市長におかれては、本部の問題との認識を示されましたが、人件費率の低さを始め、各園の経営状況についても厳しく精査することを強く求めます。
反対の理由の第4は、庁舎及び福祉会館の設計見直しに向けた動きが見られないことです。前市長の負の遺産である現設計には、1、庁舎部分と福祉会館部分の耐震構造が異なる。2、敷地内に十分な面積の広場がない。3、コストダウンに向けた工夫が不十分。4、議会が利用しない日が年に約320日ある中、議場スペースの市民利用が困難な仕様になっているなどの大きな欠陥及び瑕疵が阻害要因になっており、早期竣工のために実施設計を含む大胆な見直しが急務です。
子どもの権利に基づき、子どもの相談救済とともに、社会制度を変える提言ができる子どもオンブズパーソンの3人目の設置や、子どもの権利の実現を議論する子ども施策全国自治体シンポジウムなど、また公立保育園の在り方検討会など、非常に重要な予算も含まれ、ぜひこれらについてはきちんと推し進めていただきたいと考えていますが、前段で述べたように、昨年11月の市長選挙の大きな争点であった、公立保育園廃園を撤回するという白井市長の公約の撤回につながる西岡前市長の廃園方針が通底にある予算であるため、本予算に反対し、討論を終わります。

2023年第一回定例会「副市長の選任に関し同意を求めることについて」反対討論

議案29号「副市長の選任に関し同意を求めることについて」反対の立場から討論します。

私はこれまで市長の人事提案は尊重する立場で、自分が支持をしていない市長が提案した案件であっても反対をすることはなかったと思います。

今回の提案についても、提案された副市長が小金井市政の中でどのような立場になりどのような運営をされるのかは白井市長の責任で行うこと、という整理をしようと考えていました。

しかし、質疑をする中で、やはり今の段階では同意はできないと考えるに至りました。

一つは、市長選の公約に掲げられた女性副市長の提案ができなかった理由がとても納得できないものだったからです。

現在の女性差別、女性蔑視の風潮が目に余る社会状況の下で、本気でジェンダー平等を市政の中で実現するつもりなのであれば、女性副市長をまず第一に提案すべきでした。

選挙向けに、口当たりの良い公約を掲げただけだったのではないでしょうか。

そして、公立保育園廃園問題について、提案された副市長はどのような姿勢で取り組むのかというの質疑の中で、市長は特に確認していない、また市政課題は色々ある、といった答弁でしたが、昨年の市長選がなぜ行われたのか、振り返れば、西岡前市長が公立保育園廃園条例を専決処分したことを、市議会が不承認したことで西岡前市長が辞任した、ということで、市長選が行われているわけです。

市長選での1番の大きな争点は、公立保育園廃園問題をどう解決するかだったのではないでしょうか。

現在行われている専決処分取り消し訴訟の中で、市は目に余る反論を繰り返しています。

全て、白井市長の決裁の下で提出されている反論です。専決処分は治癒された、子どもさんも保護者も信頼している保育園であっても、その意見は尊重されず、近くにある民間保育園に転園すればいいと切り捨てられています。

4月から段階的縮小により、廃園方針が実施される中で、廃園方針を維持する白井市長を補佐する副市長人事には到底同意できない、と申し上げ、私の反対討論を終わります。