2022年度一般会計決算に対し、子どもの権利を守る会として採決態度は不認定3、認定1となりましたが、以下に述べる論点は会派として一致した見解として、不認定の立場から討論を行います。なお、賛成するに至った理由は、このあとの討論で古畑議員から述べられるかと思います。
不認定の第一の理由は、市立保育園廃園条例の専決処分が行われた決算であるからです。
西岡前市長が行った専決処分による市立保育園廃園は、違法性の疑いがあり、議会は不承認としました。しかし、西岡前市長は全てを投げ出して辞職してしまいました。あまりにも無責任すぎます。
本来は不承認の事実を受け、廃園条例の専決処分を取り消すべきでした。
そして、どうしても廃園したいのであれば、状況を整えて、廃園条例を出し直すなどして、議会審議を経た上での議決を待つというのが、本来の首長のありようではないでしょうか。
廃園した上に辞職をしたのであれば、段階的縮小による子どもへの影響等、廃園にまつわる多くの問題が指摘されていたにも関わらず、子どもたちの権利を守る責任を放棄したと言われても仕方ありません。
不認定の第二の理由は、違法性である疑いのある専決処分により成立した廃園条例がいまだに有効であるからです。
白井市長は廃園を撤回する、という公約を立て、当選したはずですが、なぜ未だに廃園が撤回されていないのでしょうか。
決算審査の中でも、廃園条例が成立しているから、廃園方針を撤回できない、と答弁しています。
廃園条例の専決処分には違法である疑いがあります。廃園廃止条例が否決されたことによって、専決処分の違法性が治癒されるわけではありません。市長の意思が廃園撤回なのであれば、なぜ、議会の否決は違法であると、特別再議をしなかったのでしょうか。都知事の裁決を待つこともできました。監査要求することもできました。特別再議も監査要求も今からでもできます。また、廃園廃止条例は12月議会最終日に出され、即決となっています。なぜ出し直して、委員会付託で徹底審議をさせないのでしょうか。
廃園方針の見直しはすぐにでも取り掛かるべきでしたが、未だに着手していないのはなぜなのでしょうか。このまま市立保育園2園を見捨てて、廃園に向かってまっしぐらに進んでいくのでしょうか。
市長の意思が廃園撤回を貫くのであれば、さまざまな方策で廃園をくつがえすことができたはずです。
現在の状況を見ると、真摯な思いで、廃園撤回を市長選公約で訴えたとは到底思えません。選挙のためのリップサービスだったのではないでしょうか。
不認定の第三の理由は、数々の事務的ミスが相次ぎ、市民に不利益を与えているからです。市民参加の審議会の議事録作成が遅れ、審議会報酬の支払いを失念していただけならまだしも、被害者に断らせて遅延損害金を支払わずに済ませようとしたことは、違法な行政事務と言えます。また、発覚した当時に議会への報告は全くなかったことも重大な問題です。
社会福祉協議会による講師料支払い漏れの経緯については、発覚してすぐに議会に報告していれば、決算審査の中で詳細な質疑ができましたが、委員会最終日になっての報告だったことも問題です。今後の速やかな解明と報告を求めます。
不認定の第四の理由は、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律が今年4月に施行されたのに向けて決算年度に何の準備を教育委員会は行っていなかったことです。教育メタバースなどより、率先して、いち早く取り組むべきものだったのではないでしょうか。
以上、子どもの権利を守る観点から、今後の正常な行政運営を行うことを求め、討論を終わります。