2023年度小金井市一般会計予算 反対討論

議案第7号、2023年度小金井市一般会計予算に、子どもの権利を守る会を代表して、反対の立場から討論を行います。
まず、昨年12月に結成した私どもの会派、子どもの権利を守る会の会派結成の申合せをお伝えします。
西岡前市長による公立保育園廃園条例の専決処分が議会で不承認されたことで、前市長は辞職し、突然の市長選挙と市議会議員補欠選挙となりました。私どもは、子どもがほほ笑むまちの実現を掲げて市議会議員補欠選挙を戦い、新たな議席を確保することができました。
公立保育園廃園問題は子どもの権利の侵害の最たるものであり、専決処分は地方自治法違反の疑いもあります。一刻も早く今の状態を是正するために、子どもの権利を守ることを会派名と共通政策理念に掲げました。共通政策理念1、日本国憲法第93条に基づく二元代表制により、市長との緊張感のある関係の中で、行政のチェック機関として議会の権能を行使する。市民に開かれた議会とすべく、議会改革を推進する。2、公立保育園廃園問題を解決し、小金井市子どもの権利に関する条例の実効性を高め、子どもの権利を守る小金井市政にする。3、新庁舎建設は、基本設計の見直しも視野に入れ、大幅なコストダウンを図る。また、窓が開き、十分な広場を確保した環境配慮型の庁舎とする。議場スペースの市民利用を実現する。4、障害のある人もない人も共に学び共に生きる社会を目指す小金井市条例を基に、障がい当事者の視点で市政全体をチェックする。経済的に困窮している人も含め、誰でも暮らしやすい福祉のまちづくりを進める。議案等への対応について。議案等に対し、会派内での議論を深めた上で、それぞれの判断を尊重する。討論、採決態度に対しては拘束しないというのが会派結成の申合せで、各会派にもお伝えしています。この申合せに基づき、本予算の反対理由を述べます。
反対理由の第1は、昨年11月の市長選挙で、現市長が掲げた公立保育園の廃園方針撤回が全く履行されず、前市長の廃園方針に基づく予算となっているからです。白井市長は、昨年12月の最終日に上程された廃園廃止条例を提案したことをもって、廃園方針を撤回するという公約を果たしたと思い込んでいるのではないでしょうか。廃園廃止条例が否決されたことで、昨年10月に議会が不承認とした廃園条例の専決処分に瑕疵があったとしても、小金井市の団体意思として、実質的に廃園条例の専決処分を承認する議決をしているものであり、前市長の専決処分に瑕疵があったとしても、その瑕疵は治癒され、違法性はなくなっているといった主張が、専決処分取消訴訟、廃園やめて裁判の中で、白井市長の決裁印が押された市からの答弁書として提出されています。白井市長は議員時代に専決処分の違法性を強く訴えて、前西岡市長を辞職に追い込んだにもかかわらず、廃園廃止条例の提案の際にも、専決処分の違法性について問われても、係争中であるとして違法性には触れませんでした。そして、廃園廃止条例が否決されたら、それをもって専決処分は治癒されたという主張となり、廃園方針の撤回どころではなくなっています。本予算は、廃園方針に基づき、くりのみ保育園、さくら保育園の段階的縮小という、子どもの権利を大きく侵害する残酷な方法での廃園を進めるものであり、市長の公約に反するものです。
反対の理由の第2は、市のコンプライアンス遵守意識の低さです。認可保育園を経営する小金井市に本社のある株式会社コスモズによる他自治体での補助金不正受給が次々に発覚したにもかかわらず、市内保育園の調査がまだ中途であり、危機感に薄いことです。今後の小金井市の保育全体に及んでくる問題となる可能性もあるため、これまでも保育が必要な子どものセーフティーネットとして機能してきている公立保育園を今こそ最重要な施設として、他の保育園に何かあった場合に子どもの受入れができる用意をする必要があります。しかし、市には全くそのような危機管理の意識がありません。
心身障害者福祉手当の過支給への不手際、不親切かつ不適正な対応、生活保護利用者への不十分な対応、情報公開制度の不認識により、教育メタバースの資料は何度も出し直しになった上、事業構築の検討状況や事業の継承状況についても当該株式会社の企業秘密とされ、市教育委員会が関わっている会議録や資料が公開されないという重大な問題も発生しています。民設学童や緑センター委託についても、市内部での十分な精査がなく、市民への説明もないまま進めることは、市民参加条例や、保護者とともに作成した学童保育所運営基準などの違反と言えるのではないでしょうか。
反対の理由の第3は、民間保育園への補助金についてです。株式会社グローバルキッズ、株式会社コスモズと、市内で保育園を運営する事業者による補助金不正受給が相次いで明らかになりました。また、昨年8月には、八王子市内のコスモズ系列の保育園での保育士による虐待事案が明らかになっています。少子化対策と民間活力の活用の名の下、株式会社が運営する保育園が都市部を中心に増加してきました。特に小金井市におきましては、その傾向は顕著です。そのような中で発覚したのが今般の事案です。
株式会社立の民間保育園と申しますが、運営費の多くは、我が子の保育を必要とする保護者からの保育料と公的補助金から成り立っており、公共サービスの担い手であり、公共的存在なのです。決して経営者や株主個人の所有物ではありません。特に、議長経験者で、元小金井市議会議員の佐野浩氏が理事長を務めるコスモズについては、市内で7園が展開されており、厳しい指導監督が都と協力して進められなければなりません。経営体質が改められ、不正が根絶されるまで、補助金執行は差し止められるべきです。なぜなら、25年前に高木議員が市民として提出した陳情をきっかけに、約1年をかけて行われた100条調査の提言も教訓も、部局からは忘れ去られていたと断じざるを得ないためです。都ともに反省されて、原因解明と再発防止を厳しく進めていただきたい。
また、不正を防止できなかった西岡前市長や関係部局の対応も検証していただきたい。市長におかれては、本部の問題との認識を示されましたが、人件費率の低さを始め、各園の経営状況についても厳しく精査することを強く求めます。
反対の理由の第4は、庁舎及び福祉会館の設計見直しに向けた動きが見られないことです。前市長の負の遺産である現設計には、1、庁舎部分と福祉会館部分の耐震構造が異なる。2、敷地内に十分な面積の広場がない。3、コストダウンに向けた工夫が不十分。4、議会が利用しない日が年に約320日ある中、議場スペースの市民利用が困難な仕様になっているなどの大きな欠陥及び瑕疵が阻害要因になっており、早期竣工のために実施設計を含む大胆な見直しが急務です。
子どもの権利に基づき、子どもの相談救済とともに、社会制度を変える提言ができる子どもオンブズパーソンの3人目の設置や、子どもの権利の実現を議論する子ども施策全国自治体シンポジウムなど、また公立保育園の在り方検討会など、非常に重要な予算も含まれ、ぜひこれらについてはきちんと推し進めていただきたいと考えていますが、前段で述べたように、昨年11月の市長選挙の大きな争点であった、公立保育園廃園を撤回するという白井市長の公約の撤回につながる西岡前市長の廃園方針が通底にある予算であるため、本予算に反対し、討論を終わります。