地方分権に反し国に自治体への補充的指示権を付与する地方自治法改正法の廃止を求める意見書
日本が低成長に入り始めた1993年、衆参両院は地方分権の推進に関する決議をし、高度経済成長を牽引してきた中央集権体制から国の地方への関与を縮減し、地域住民の自己決定権の拡充を目指す地方分権改革が、1995年施行の地方分権推進法により進められ、2000年施行の地方分権一括法により、結実した。その後も紆余曲折はありつつも、第二次、第三次と地方分権改革が進められ、この30年余り、国と地方の対等な関係が構築されてきた。
ところが、政府は「国の補充的指示」など3点にわたる地方自治法の改正案を提案し、可決・成立した。改正法は、「国の補充的指示」という国の権限強化を進め、地方に従属を求めるものである。この「国の補充的指示」の要件を、個別法に規定されない「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」について極めて曖昧な規定としており、具体的な立法事実も明らかとなっていない。この事態に安全保障が含まれるとすれば、国民の自由や財産を縛ることにもつながる。自治事務への国の指示権も含まれるおそれが指摘されており、国の政策に反する特定の自治体を念頭に置くものなら、地方分権一括法における国・地方の対等ルールに逆行するどころか、憲法第92条に定める地方自治の本旨に反するものである。全国知事会をはじめ、多くの首長地方自治関係者は、国と地方との適切な情報共有・コミュニケーションを図ること、国の補充的な指示は、地方自治の本旨に則り、目的達成のために必要最小限度の範囲とすること、国と地方公共団体の関係の特例として位置づけ、一般ルールとの区別を求めている。地方分権の後退につながる危険性があり、多くの国民、地方自治体関係者との多くの議論がまだまだ欠如したまま、強行することは断じて許されない。
よって、小金井市議会は国会及び政府に対し、「国の補充的指示」を含む地方自治法の改正法の廃止を強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年 月 日
小金井市議会議長 宮 下 誠
衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
総務大臣 様
内閣府特命担当大臣(地方創生担当) 様
