原発新増設と再稼働及び運転期間延長等のエネルギー基本方針転換の撤 回を求める意見書

2022年9月28日の本会議にて、片山が第3回定例会に提出した「原発新増設と再稼働及び運転期間延長等のエネルギー基本方針転換の撤回を求める意見書」が賛成多数で可決されました。

賛成13:市民カエル(片山)1、みらい3、共産党3、こがおも2、情報公開1、ネット1、緑1、元気1

反対9:自民5、公明3、市民会議1
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原発新増設と再稼働及び運転期間延長等のエネルギー基本方針転換の撤回を求める意見書

政府は、2022年8月24日、「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」で、ウクライナ危機や電力需給逼迫などを受け、原発の「7基追加再稼働」や運転期間の延長、次世代革新炉の建設の検討も含めた原発推進方針を表明した。

政府は、東京電力福島第一原発事故を教訓に、エネルギー基本計画において原発の依存度は可能な限り低減すると定めていた。原発に頼らない社会を目指すという、これまでの政府の方針に逆行するものである。

東京都民が使い続けてきた福島第一原発の事故による多大な被害を、福島県民をはじめとする多くの国民に及ぼしていることを再度認識すべきであり、いかなる理由があっても、再び原発を推進することは事故の教訓を顧みないものとして許すことはできない。

福島第一原発の大事故から11年を経て、いまだ「原子力緊急事態宣言」は解除されていない。事故の原因究明も進まず、避難者数も正確に把握されておらず、放射性物質による土壌汚染や健康被害などについても政府は本格的調査を行っていない。

また、汚染水の海洋放出など、国論を二分する課題が山積する中、国会でもない会議の場で、首相が一方的に原発の最大限の活用を指示するなど、原発被害者を含めた多くの国民を裏切る行為である。

東京地裁は2022年7月、東京電力株主代表訴訟で東京電力旧経営陣に13兆円超の賠償を命じた。一旦原発事故が起これば、国土の広範な地域や国民全体にも甚大な被害を及ぼし、地域の社会的・経済的コミュニティの崩壊や喪失を生じ、ひいては我が国そのものの崩壊につながりかねないとした判決文を、首相は真摯に受け止めるべきである。

また、2014年の大飯原発差止め訴訟をめぐる福井地裁の判決理由でも当時の裁判官は「国富の喪失」や「人格権の侵害」と述べ、取り返しのつかない被害と認定した。

原発の重大事故は広く、深く、長く被害をもたらす。国の崩壊の危機や国富の喪失、人権の侵害を経験した教訓をいかさず、原発推進に向けた政府方針の変更は、国民のいのちと暮らしをないがしろにするものである。

よって、小金井市議会は、政府に対し、8月24日に政府が発表した原発の新増設と再稼働及び運転期間延長等のエネルギー基本方針の転換を撤回することを強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和4年 月  日

小金井市議会議長 鈴 木 成 夫

 内閣総理大臣 様

 経済産業大臣 様

 GX実行推進担当大臣 様

 環境大臣 様

 原子力規制委員会委員長 様