6/25の本会議にて、「沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を辺野古新基地建設の埋め立て等に使用しないよう求める意見書」が賛成多数で可決されました。
3月の市議選の頃に、市民から、沖縄で遺骨収集ボランティアをされている具志堅隆松さんがハンストをしているので、その支援の署名に協力してほしい、市議会から意見書を出せないか、という提案をいただきました。
市議会が終了した後だったので、その時点で意見書を出すことはできませんでしたが、選挙が終わってから、市内でシンポジウムを行おう、と沖縄の基地問題を考える小金井の会で検討し、5/15に開催しました。
その時に沖縄の基地問題を考える小金井の会の米須さんから示された陳情案や他の議会に出されている意見書案を参考に意見書を作成し、提案しました。
「沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を辺野古新基地建設の埋め立て等に使用しないよう求める意見書」
1945年4月1日、沖縄本島に上陸した米軍との激しい地上戦の末、日本軍は5月末日には首里城司令部壕から本島南部に撤退した。そのために、南部に避難していた住民と日本軍が混在状態となり、沖縄戦戦没者の半数以上と言われるおびただしい犠牲者が発生した。沖縄戦では沖縄県民約12万人、日本本土兵等約7万7千人、米兵約1万4千人、朝鮮半島出身者等併せて20万人余の尊い生命が失われた。
戦後、沖縄県民は戦争犠牲者の遺骨を収集して糸満市米須の「魂魄の塔」をはじめ慰霊の塔を次々に建立して戦没者の霊を弔ってきた。この「魂魄の塔」のすぐそばに「大和の塔」が1967年11月に建立された。この南部一帯には本県出身戦没者をはじめ多くの戦争犠牲者の人々が眠っている。
日本政府(防衛省・沖縄防衛局)は、昨年4月に提出された「辺野古埋立設計変更申請書」において、この沖縄戦跡国定公園を含む南部地区、特に糸満市米須地区や八重瀬町の山野の土砂を採掘して辺野古新基地建設の埋め立てに使用する計画を発表した。
遺骨収集ボランティアの具志堅隆松氏は「戦没者の遺骨が混じり、血が染み込んだ土砂を新基地建設に使うことは人道上許されない」と訴えている。
沖縄県の一昨年2月の「辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票」では辺野古新基地反対が約72%となったが、今回の「遺骨で辺野古を埋め立てる」問題は、新基地建設如何を問わず人道上の問題である。
戦没者の遺骨を新基地建設の埋め立てに使用することは、犠牲者の人々の尊厳を冒涜し、「物言わぬ」戦没者を二度殺すような人の道に反する行為に他ならない。
日本政府は、2016年3月に超党派の議員立法で「戦没者の遺骨収集の推進に関する法律」を制定した。戦没者の遺骨収集を国の責務とした時限立法(2024年まで)である。何よりも日本政府に求められているのは、この法律を遵守して沖縄戦戦没者の遺骨を含む土砂を辺野古の新基地建設に使用することを止めることである。
よって、小金井市議会は、政府に対して以下の事項を求めるものである。
記
1 沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を辺野古新基地建設の埋め立て等に使用しないこと。
2 日本で唯一、住民を巻き込んだ苛烈な地上戦があった沖縄の事情に鑑み、「戦没者の遺骨収集の推進に関する法律」を遵守し、日本政府が主体となって戦没者遺骨収集を実施すること。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
令和3年 月 日
小金井市議会議長 鈴木成夫
内閣総理大臣 様
内閣官房長官 様
総務大臣 様
外務大臣 様
防衛大臣 様
内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 様