ミャンマーに民主的な政治体制と国民の平和を早期回復するために日本政府に具体的で迅速かつ実効性ある行動を求める意見書

ミャンマーに民主的な政治体制と国民の平和を早期回復するために日本政府に具体的で迅速かつ実効性ある行動を求める意見書

2021年2月1日にミャンマー国軍による違法・不当な軍事クーデターが強行されてから3年以上が経過する中にあって、依然として、国軍・軍事評議会(SAC)による暴力支配・恐怖政治に反対し、平和と民主体制の回復を求めて声を上げた多くの国民の命が、軍や警察による暴力と武力の行使によって奪われ、かつ膨大な数の人々が貧困や飢餓に苦しんでいる。国軍による空爆や村々への焼き討ちで故郷を追われ、避難を余儀なくされている国内避難民はすでに260万人を超え、その数は現在も増え続けている。

さらに今年2月10日、国軍/SACは突如、徴兵制の実施を発表した。4月以降に毎月およそ5000人を招集して、訓練もなしに「人間の盾」として最前線へ送り込む計画を立てていることが明らかになり、命を守るために海外へ脱出しようとする若者が急増している。しかし国軍は、若者たちの海外渡航を止めようと企てており、日本への渡航を希望する技能実習生や留学生にも影響が出始めている。

クーデター発生以降、政府は国連諸機関や東南アジア諸国連合(ASEAN)等を通じて、国内避難民(IDPs)や貧困世帯に人道支援を行っているが、現状では国連機関も国軍の監督下にあり、制約を受けた活動しか展開できていないことも事実である。

よって小金井市議会は、ミャンマーにおいて1日も早く人権・民主主義が回復されるようにするため、政府及び国会が以下の実効性ある具体的な政策を進めるよう求めるものである。

1.2021年6月に衆参両院で採択された「ミャンマー軍事クーデター非難」の国会決議の実現のため、これまで以上に具体的かつ実効性ある対応を行うこと。

2.国際社会とも連携し、あらゆる外交資源を駆使して、国軍によるミャンマー国民への残虐行為の即時停止、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問を含む不当に拘束されているすべての被拘束者の即時解放、民主化活動家や学生への不当な拘束と死刑執行の即時停止、民主体制への無条件復帰を強く求めること。

3.国軍の兵器購入資金を断つため、国軍指導者や軍系企業に対する標的制裁を行うこと。

4.IDPsの命を守るために、国連機関経由の支援に加え、ミャンマー国民統一政府(NUG)や少数民族系のNGO/NPO/市民団体等とも連携・協力した国境越えの人道支援を行うこと。

5.国軍による迫害から命を守るために国境を越えてタイやインド、バングラデシュなど隣国に滞在しているミャンマー市民の人権保護・救済、在留支援・正規滞在化等のために近隣国政府と協議し、働きかけを行うこと。また、国軍からの迫害を恐れて帰国できない在日ミャンマー人への緊急避難措置の継続や、日本への渡航を希望する若者らへの支援を実施すること。

以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

衆議院議長 参議院議長       内閣総理大臣       外務大臣 法務大臣