「性犯罪に関する刑法の一部を改正する法律の今国会での成立を求める意見書」

片山が作成した意見書。全会一致で可決された。

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2017年6月2日、性犯罪の厳罰化を盛り込んだ刑法改正案(以下「法案」という。)が、衆議院本会議で審議入りした。この法案は、成立すれば1907年の刑法制定以来、110年ぶりの大幅改正となるが、審議入りが大幅に遅れたため、今国会での成立が危ぶまれる事態となっている。
今回の法案では、現在の強姦罪の法定刑の下限を懲役3年から5年に引き上げること、起訴するために被害者の告訴が必要となる親告罪の規定を削除すること、監護者わいせつ罪、監護者性交等罪の新設などで、近親者から被害に遭っても逃げられない18歳未満の被害者が救済される。また、強姦罪の名称を変更し、強制性交等罪とすることで、被害者や加害者の性差をなくし、これまで声を上げられなかった男性やセクシュアルマイノリティの被害が正当に取り扱われるようになる。
平成28年版犯罪白書における強姦・強盗強姦・強制わいせつの認知件数は合計7,954件だが、平成24年調査では、性的事件に係る被害申告率は18.5%とされ、これは氷山の一角にすぎない。
今回の改正案には、強姦罪の暴行・脅迫要件の緩和、配偶者間の強姦についての明文化、性交同意年齢の引上げ、公訴時効の撤廃もしくは停止、地位・関係性を利用した性行為の処罰規定の対象の拡大など、被害救済のために重要でありながらも盛り込まれなかった事項がいくつもある。
中でも暴行・脅迫要件は、やっとのことで警察に訴えても被害者として認められず、さらに二次被害によって、苦痛に満ちた生活を送ることを余儀なくされる性犯罪・性暴力被害者を増やす大きな要因となっており、何としても見直す必要がある。
「魂の殺人」と言われる性犯罪・性暴力被害者を一刻も早く救済し、悪質な加害者を野放しにしないために、改正の早期実現を多くの被害当事者や支援者らが求めてきた。今回の改正では不十分であるとの声もあるが、性犯罪・性暴力被害を未然に防止するためにも、まずは法案の早期成立が必要である。
よって、小金井市議会は、国会及び政府に対し、審議を加速化して法案の今国会での成立を強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成29年6月12日
小金井市議会議長 五十嵐 京 子
衆議院議長 様
参議院議長 様
内閣総理大臣 様
法務大臣 様