「だれもが住みよい社会にするために、政策決定の場には女性が必要!」月刊ミニコミ誌『たんぽぽ』11月号

松戸市民の方々が発行されている、月刊ミニコミ誌『たんぽぽ』11月号に掲載された文章です。

女性議員の比率が高い小金井市議会の現状を踏まえて、今年5月に成立した「政治分野における男女共同参画に関する法律」やヨーロッパ、韓国などのクオータ制の実施などから女性議員を大幅に拡大することの意義について書いてほしい、という依頼でした。

小金井市議会で現在取り組んでいることを主に書いてみました。

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「だれもが住みよい社会にするために、政策決定の場には女性が必要!」

(片山かおる/小金井市議会議員)

2018年5月、「政治分野における男女共同参画に関する法律」が公布・施行されました。

『クオータ制を推進する会(Qの会)』などの女性たちが何年もかかって運動を続け、ようやく成立した法律です。私が所属する『全国フェミニスト議員連盟』もQの会の一員として、ロビー活動や院内集会などに協力してきました。

小金井市議会からも、2015年には「政治分野における『女性参画推進法』の制定並びに公職選挙法の一部改 正を求める意見書」、2016年には「政治分野への男女共同参画推進法の制定を求める意見書」を可決し、国会と政府に送付しています。

韓国では、選挙制度にクオータ制が採用され、少しずつ女性議員比率が増えています。韓国の野党の『正義党』では、比例代表は、障がい者、女性、男性、という順番にしているそうです。与党の『共に民主党』でも、比例ではクオータ制を取り入れていますが、小選挙区で女性候補を擁立するのが難しいと聞きます。

2017年、2018年に、ソウルの市民民主主義政策の視察に行ったときに、市民運動や、組合運動などの説明に立つのは、若い世代の女性が多かったのが非常に印象的でした。

ソウルの冠岳住民連帯の前で、いわき市議の佐藤和良さんから福島原発事故の被害を語ったとき、我慢できず「ろうそくを灯そう!」と、叫んだのも女性です。100万人以上が集まった、ろうそく革命で政権を変えた、韓国の人々たちの気迫と意気込みを感じました。

日本でも、市民の意識が少しずつ変わってきています。特に子どもを抱えた若い世代が、保育所や学校など、子どもの育つ現場から感じる、社会の違和感、異様さを、多くの人に発信して議論を興すことが、少しずつでも社会を変えることに繋がっています。

小金井市では、「子どもの権利に関する条例」が2009年に制定されるまで、小さな子どもを抱える市民が中心となり、9年余りの年月をかけて審議会参加や、勉強会、陳情など、あらゆる手段を使って、権利条例の必要を訴えてきました。男女平等条例や子どもの権利へのバックラッシュが各地で起こっていた時期です。小金井でも子どもの権利より義務を強調する主張が市議会で繰り返されました。当時、「子どもの権利がある街では子育てしたくない」と議会で発言し、次の選挙で落選した女性議員がいました。現在は、復活していますが、市民はひとりひとりの議員の主張をよく見ています。

24人中10人が女性議員の小金井市議会の特徴は、保守系の女性議員が多いことです。自民党会派4人、公明党2人、共産党1人、1人会派3人が女性です。

議会のあらゆる会議体に、全て女性が参加していること、現在は議長、副議長、監査の3役が全て女性であることが、全体の雰囲気を和らげ、単純な多数決ではなくできる限り議論を尽くして合意を生み出そう、という柔軟な議会運営に繋がっています。

現在、私が所属する厚生文教委員会は8人中5人が女性議員です。委員有志と言いながら、実質は全員参加で、市内の学童保育所やこども園の視察。障害者差別解消条例の視察と勉強会や市民との意見交換会をへて、議員提案の修正条例を全会一致で提出。11月には川崎の子どもの権利条例を視察し、権利条例の充実を求める陳情に対する審議を深めます。9月議会で継続審議となった難病者福祉手当の改正条例について、11/11に市民意見交換会を委員有志で開きます。

こういった柔軟な議会活動、議会改革を進められるのは、地に足をつけて、生活に根ざした活動と発言をする女性議員が多いからだと考えます。